「育てる」と「育む」は、ともに「成長させる」という共通する意味を持っている言葉ですが、両者の間には以下のように大きな違いが存在します。
- 【育てる】成長させる
- 【育む】愛情を注いで成長させる
このページでは「育てる」と「育む」の意味の違いについて詳しく解説しています。
「育てる」と「育む」の大きな違い
「育てる」と「育む」の意味
『日本國語大辞典』の解説による「育てる」と「育む」のそれぞれの意味は次の通りです。
【育てる】
①生物が一人前になるまでの過程をうまく進むように助け導く。生きものがおいたつようにする。成長させる。養育する。
②能力などをのばすように教え導く。しこむ。しつける。
③相手に調子を合わせててなずける。おだてる。そそのかす。のせる。【育む】
①親鳥がひな鳥を羽でおおい包む。
②養い育てる。養育する。また、世話をする。面倒を見る。
③いつくしみ大切に扱う。かわいがる。
④いたわり守る。かばう。保護して、それを伸長させる。
出典:小学館『日本國語大辞典』
『日本國語大辞典』で解説されている「育てる」と「育む」の意味の違いを比較しただけでもその違いは歴然としています。
「育てる」にはなくて「育む」だけにある要素。
「面倒を見る」「いつくしみ」「大切に」「かわいがる」「いたわり」「守る」「かばう」「保護」・・・すべて豊かな愛情があってはじめて出来ることばかりです。
「育む」に豊かな愛情がたっぷりと含まれている理由
「育む」という言葉には「羽包む(はくくむ)」という意味が含まれています。
「羽包む(はくくむ)」とは、親鳥がひな鳥を羽でおおい包むことを意味し、ひな鳥を優しくおおう親鳥の羽は愛情のシンボルです。
「羽包む(はくくむ)」には、ひな鳥の視点からの言葉も存在し「羽裏もる(はぐくもる)」または「育もる(はぐくもる)」と書いて、羽に包まれていること。転じて大事に育てられているさまを表します。
また親が子を想う気持ちが込められた情感豊かな「はぐくむ」という言葉は、親の愛情を讃える和歌の中で幾度も謳われています。
豊かな愛情の有無。それが「育てる」と「育む」の違いを決定づける要素です。
「育てる」と「育む」の違い、まとめ
「育てる」と「育む」の違い、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。
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