「裸」と「裸体」。ともに衣服を身体にまとわない状態を意味する二つの言葉の違いを区別するポイントは次の通りです。
- 【裸】主に話し言葉。衣服をまとわない状態に対して広く使える。
- 【裸体】主に書き言葉。裸体画など芸術作品に使う場合がほとんど。
このページでは、「裸」と「裸体」の違いと使い分け方。比喩表現などにも使われる「裸」という言葉の意味をまとめています。
「裸」と「裸体」意味の違いを解説
【裸】主に話し言葉。衣服をまとわない状態に対して広く使える。
「裸」という言葉は、衣服をまとわない状態のほぼすべてに使える言葉です。
男性に限っては上半身だけ衣類を着ない状態であっても「裸で運動する」などと表現し「裸」という言葉を使う場合があります。
なお、女性が上半身の衣類を着ない状態は「トップレス」という別の言葉で表現されます。
また「裸」という言葉は、衣類をまとわない状態から転じて、人間の身体の様子以外にも広く使われることが最大の特徴です。
以下に『日本國語大辞典』で解説されている「裸」という言葉の意味を引用します。
【裸】
①全身がむき出しになっていること。あかはだか。裸体。
②転じて、表面におおいや飾りなどがないこと。むき出しのままであること。
③無一物なこと。財産や所持品などがまったくないこと。
④つつみ隠すところがないこと。ありのままであること。率直であること。
⑤特に嫁入りの時、何の嫁入り支度もしていないことをいう。
出典:小学館『日本國語大辞典』
【裸体】主に書き言葉。裸体画など芸術作品に使う場合がほとんど。
「裸体」という言葉も「裸」と同様に衣類をまとわない状態という意味を持っていますが、人間の身体以外には用いられることがない言葉です。
また「裸体」は「裸体画」「裸体像」など芸術作品に使われることが多い点が特徴です。
「裸体」という言葉の意味は以下の通りです。
【裸体】
衣類などを体につけていないこと。また、そのからだ。
出典:小学館『日本國語大辞典』
「裸」と「裸体」意味の違い、まとめ
「裸」と「裸体」の違いと使い分け方、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。
以下に、このページの解説のポイントをまとめておきますので頭の中の整理にお役立てください。
- 【共通する意味】衣類をまとわない人間の身体。
- 【裸】飾りがなくむき出しの物。財産がない状態。率直な性格にも使える。
- 【裸体】芸術作品に使う場合が多い。話し言葉としての使用頻度は低い。