「学ぶ」と「習う」の違いと使い分け/語源と意味

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「学ぶ」も「習う」も、学問や技芸などを身につけるという共通の意味を持っていますが、①教える人の有無、②主な学習内容、③学習スタイルなどの点から違いを区別できます。

「学ぶ」と「習う」の違いを上記の3点で整理すると次のようになります。

 学ぶ習う
①教える人の有無いる・いないいる
②主な学習内容学問・知識など抽象的技芸など具体的
③学習スタイル経験など様々なことから学べる繰り返し稽古・レッスンを行う

このページでは「学ぶ」と「習う」の違いの区別の仕方。それぞれの言葉の意味と語源について解説しています。

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【学ぶ】と【習う】の違い

「学ぶ」と「習う」の言葉の意味からそれぞれの言葉が持つ特徴を確認しつつ、両者の違いを以下に解説します。

【学ぶ】の意味

【学ぶ】
①まねてする。ならって行う。
②教えを受ける。業を受ける。習う。
③学問する
出典:岩波書店『広辞苑』

「学ぶ」という言葉は「教えを受ける」という意味を持つことから、教える人がいる場合もあります。

しかし「人生経験から学ぶ」「失敗から学ぶ」などのように教える人がない場合にも使われることがあるのが特徴です。

また「学問をする」という意味を持つことからもわかるように、「学ぶ」という言葉の学習の対象は主に学問や知識など抽象的なことがらが中心です。

  1. 教える人の有無:いる・いない
  2. 主な学習内容:学問・知識など抽象的
  3. 学習スタイル:経験など様々なことから学べる
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【習う】の意味

【習う】
①繰り返し修めて行う。
②教えられて自分の身につける。学ぶ。
出典:岩波書店『広辞苑』

「習う」という言葉は、技芸などを直接教える人がいる場合に用いられます。

また「習いごと」の対象は技芸が大半を占め、学問や知識の学習を「習いごと」と呼ばないことからも、「習う」という言葉の学習の対象は主に技芸など具体的なことと言えます。

また多くの技芸は稽古やレッスンを繰り返し行うことで身につく性質を持っています。そのため、繰り返し・反復練習が伴うのも「習う」という言葉の特徴です。

  1. 教える人の有無:いる
  2. 主な学習内容:技芸など具体的
  3. 学習スタイル:繰り返し稽古・レッスンを行う
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「学ぶ」と「習う」の語源

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【学ぶ】の語源

「学ぶ(まなぶ)」という言葉の語源は「まねぶ」という言葉であるという説があります。「まねぶ」とは「まねる」、真似ることを意味します。

現代のように体系化された指導方法がない時代、師匠の技芸などを習得するのはただひたすら師匠を「真似る=まねぶ」ことでした。

この「真似る=まねぶ」が「まなぶ」に変化したという説があり、日本國語大辞典では「まねぶ」という言葉の漢字表記を「学ぶ(まねぶ)」としています。

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【習う】の語源

一方で「習う(ならう)」という言葉は「倣う」「慣らう」などとも書き、「学ぶ」と「習う」の言葉のルーツは同じで、その本質は真似ることです。

真似たこと(倣う)を慣れる(慣らう)まで繰り返す。それが「習う」です。

「習いごと」には、繰り返しのレッスンが求められるものが少なくありませんが、真似たことを慣れるまで繰り返すという考え方がベースにあるようです。

参考までに「習う」のルーツについて『字訓』の解説を以下に引用します。

「習うより慣れろ」というが、「ならふ」は「慣る」に接尾語の「ふ」をそえたもの。「倣ふ(ならふ)」と同じ語である。手本として他のすぐれたものをまねし、それに習熟することをいう。「まなぶ」は「まねぶ」、「倣ふ」は「習ふ」。模倣し、それをくりかえすことが、初歩の学習の方法であった。
出典:白川静『字訓』(平凡社)

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【学ぶ】と【習う】の違い、まとめ

「学ぶ」と「習う」の違い、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。最後に、このページの解説の要約を以下にまとめますので頭の中の整理にお役立てください。

 学ぶ習う
教える人の有無いる・いないいる
主な学習内容学問・知識など抽象的技芸など具体的
学習スタイル経験など様々なことから学べる繰り返し稽古・レッスンを行う
言葉のルーツ真似る慣れる
真似たことを慣れるまで繰り返す 

 

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