「準備、用意、支度」の違いと使い分け方を区別するポイント

「準備」「用意」「支度」。それぞれの違いが非常にわかりづらいこれら三つの言葉の使い分け方をシンプルに区別するポイントは次の通りです。

  • 【準備】必要としないものも含む段取り全般を「準備」する
  • 【用意】すぐに行動に移すこと、すぐに使う物品を「用意」する
  • 【支度】使われる対象の大半は「食事」「旅」などに限定される

何故、このように区別できるのかをこのページでは詳しく解説しています。



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国語辞典で調べても区別が難しい「準備」「用意」「支度」

「準備」「用意」「支度」の違いを国語辞典で調べても無理があります。何故なら、国語辞典で調べたそれぞれの言葉の意味を書き並べると次のようになってしまうからです。

【準備】用意。支度。
【用意】準備。支度。
【支度】用意。準備。
出典:岩波書店『広辞苑』より一部抜粋

「準備」を調べると「用意」とあり、「用意」を調べると「支度」。そして「支度」を調べると今度は「準備」が出てくる。

まるで落語のようですが本当のことです。

もちろん若干の文章による解説も掲載されてはいるのですが、いずれの解説文も似たり寄ったりで、それだけで三つの言葉の違いを区別することは困難を極める作業です。

そこで、「準備」「用意」「支度」の用例によって、使われ方のパターンごとに分類を試みてみました。その結果が以下の記述です。

【準備】必要としないものも含む段取り全般を「準備」する

「試験の準備をする」

試験の準備をする」と言う場合。それが特に受験などの場合、受験勉強を指します。

そして受験勉強では出題される範囲を万遍なく勉強するはずです。しかし、出題範囲といえども必ずしも出題されるとは限りません。

出題されると決まっているわけではない、場合によっては出題可能性が極めて低い。言い換えると勉強する必要がないかも知れません。

しかし万が一に備えて勉強する、それが「試験の準備をする」ということです。

一方、「試験の用意」という言い方をした場合、たいていは試験当日に必要な受験票や筆記具を揃えることを意味します。

「戦さの準備」

戦国時代劇などでよく使われる「戦さの準備」。戦争映画などでは「戦闘準備」と言われたりもします。

戦闘には不測の事態がつきものです。と言うより不測の事態だらけなのが戦闘です。

よって、その不測の事態に備えるためにこれで十分ということは決してありません。必要かどうかわからないものやことまでしっかりと備えておく必要があります。

十分ということが決してない備え。すなわち必要かどうかもわからない備えをする時に使うのが「準備」です。

「心の準備」

「準備」という言葉は「心」にも使われます。「心の準備」という表現がそれです。

何かの行動を起こす時の覚悟を指す言葉ですが、その行動を起こすに当たり必要な物品等はあるかも知れませんが、「心」は必要不可欠ではありません

必要不可欠ではありませんが、その行動から得られる成果を最大にするためにするのが「心の準備」です。

【準備】必要としないものも含む段取り全般を「準備」する
コラム:最も汎用性の高い「準備」
「準備」「用意」「支度」の中で最も汎用性の高い言葉が「準備」です。ほとんどすべての事柄に「準備」は使えますが、「用意」は受験や会議の段取りなどに使うのは不向き。「支度」の用途は極めて限定されています。どれを使ったら良いか迷った場合は「準備」を使えば間違いありません。

【用意】すぐに行動に移すこと、すぐに使う物品を「用意」する

「会議の用意をする」

会議の用意をする」と言う場合。会議当日、それも会議の直前のタイミングで会議で用いる備品を揃えることや席のセッティング等々を指す場合がほとんどです。

一方で、会議の段取りの段階では、会議室の予約や会議に集まるメンバーの招集、会議で使う資料集めなどの作業の大半は時間がかかるため、会議当日の数日前、または数ヶ月前から「準備」することが求められます。

数ヶ月前から始める段取りの作業を「用意」とは呼ぶことはあまりありません。すぐに使う物品を備え揃えておくことが「用意」です。

「用意ドン」

小学校の運動会での短距離走のスタートの掛け声「用意ドン」。刑事ドラマの中などでの誘拐犯の決まり文句「身代金を用意しろ」。

これらの「用意」は「準備」や「支度」に置き換えることができません。試しに置き換えてみると、とても違和感のある表現になってしまいます。

「準備ドン」「支度ドン」
「身代金を準備しろ」「身代金を支度しろ」

用意ドン」と「身代金を用意しろ」に共通しているのは「用意」したその直後に行動を開始したり、間をおかずに使ったりするものです。

「用意金」?

企業などが危機的な状況に備えてプールする「準備金」なども、不測の事態に備えているだけで、備えてすぐに使うわけではありません。そもそもそのお金を使うかどうかも定かではないほどです。

このようなお金のことを「用意金」や「支度金」とは呼びません。よってすぐに行動に移すことや、すぐに使う物品を揃えておくなどの行為が「用意」です。

【用意】すぐに行動に移すこと、すぐに使う物品を「用意」する

【支度】使われる対象の大半は「食事」「旅」などに限定される

「用意」「準備」と比較して、使い分け方は簡単なのが「支度」です。

「支度」という言葉が使われる対象の大半は「食事」「旅」などに関することがらが占め、極めて限定的な使い方がされる言葉だからです。

【食事】の用例
朝食の支度、夕食の支度、食事の支度、お茶の支度
【旅】の用例
旅の支度、出かける支度、外出の支度、出発支度
【その他】特殊な用例(やや古風な表現)
寝支度、心支度、嫁入り支度
【支度】使われる対象の大半は「食事」「旅」などに限定される

「準備」「用意」「支度」の違い、まとめ

「準備」「用意」「支度」の違いを区別する考え方、このページの解説でご納得いただけましたでしょうか。

最後にもう一度、このページで述べた「準備」「用意」「支度」を区別するポイントを以下にまとめますので、頭の中の整理にお役立てください。++

  • 【準備】必要としないものも含む段取り全般を「準備」する
  • 【用意】すぐに行動に移すこと、すぐに使う物品を「用意」する
  • 【支度】使われる対象の大半は「食事」「旅」などに限定される



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