「小計」「合計」「総計」「累計」の違いと使い分け方は言葉で説明されても、簡単に理解できるものではありません。
そこでこのページでは具体例を示しながら「小計」「合計」「総計」「累計」の違いと使い分け方、そしてそれぞれの役割について解説しています。
「小計」「合計」「総計」「累計」の基礎知識
「小計」「合計」「総計」「累計」いずれも、数字の計算結果や計算の仕方を表す言葉ですが、計算する単位の小さい方から「小計」「合計」「総計」と並び、「累計」は他の三つとはやや性質が異なります。
ちなみに広辞苑ではこれら四つの言葉は次のように解説されています。
【小計】一部分の合計。
【合計】合わせ数えること、またその和。
【総計】全体をひっくるめて計算すること。また、その結果。
【累計】小計を順次に加えて、合計を出すこと。
出典:岩波書店『広辞苑』
上に述べたように言葉による説明だけでは理解が困難なのが「小計」「合計」「総計」「累計」です。そこで、具体例を使って解説します。
「小計」「合計」「総計」「累計」を具体例で解説
野菜と果物を売っている青果物店のある月の一ヶ月間の売上高を、以下の三つの視点で整理して解説いたします。
【2】商品ごとに集計した場合(野菜と果物それぞれの集計)の「小計,合計,総計」
【3】一ヶ月間の売上目標の到達具合を計算するための「累計」
【1】時間軸で集計した場合の「小計,合計,総計」
この青果物店ではお店の売上高を毎日閉店後に集計し、それを10日ごとにまとめ、最後に一ヶ月間の売上高を計算していると仮定しましょう。
このような集計ルールをもうけた場合、「小計,合計,総計」は次の通りです。
【小計】日々の売上高
【合計】10日間ごとの売上高
【総計】一ヶ月間の売上高
【2】商品ごとに集計した場合の「小計,合計,総計」
この青果物店では何がどれくらい売れたかを把握するために商品ごとの売上高も計算していたとしましょう。
そして売っている商品は次のアイテムです。
野菜:トマト、キュウリ、レタス
果物:スイカ、ブドウ、桃
これらを商品ごとに分類して売上高を計算する場合、「小計,合計,総計」はそれぞれ次の通りとなります。
【小計】トマト、キュウリ、レタス、スイカ、ブドウ、桃、それぞれの売上高
【合計】野菜の売上高、果物の売上高
【総計】野菜と果物の売上高を合算。時間軸の集計の「総計」と同じ金額
【3】一ヶ月間の売上目標の到達具合を計算するための「累計」
最後に「累計」です。「累計」は「小計,合計,総計」とは性質が異なるとは上に述べた通りですが、性質が違うので「累計」を行う場面も異なってきます。
さてこの青果店では、毎月お店の売上目標を設定しています。そして毎月20日を過ぎる頃になると月間目標までのカウントダウンを行なっています。
このカウントダウンを行う際に登場するのが「累計」です。
例えばある月の売上目標が300万円としましょう。そして20日までに200万円の売上ができています。21日からこの青果店の毎月恒例、目標カウントダウンのスタートです。
【21日】10万円 / 累計:210万円 / 目標まで:90万円
20日までの売上が200万円。そして21日の売上が10万円。よって今月は21日まで210万円の売上が立ったという計算になります。この210万円が「累計」です。
そして「累計」することで目標とする300万円までに足りない金額を計算することができるのです。
【22日】10万円 / 累計:220万円 / 目標まで:80万円
【23日】10万円 / 累計:230万円 / 目標まで:70万円
このようにして月末まで毎日10万を売り続けたとしましょう。そしていよいよ月末まで残り三日です。
【29日】10万円 / 累計:290万円 / 目標まで:10万円
【30日】10万円 / 累計:300万円 / 目標達成
【31日】10万円 / 累計:310万円 / 目標10万円超
以上で「累計」の意味と「累計」を使う場面をお分かりいただけましたでしょうか。
なお、勘の良い方ならお気づきかと思いますが、上で具体例をあげながら解説した「小計,合計,総計」のうちの総計と、月末の「今月の累計売上」は同じ金額になります。
「小計」「合計」「総計」「累計」の違い、まとめ
「小計」「合計」「総計」「累計」の違いと使い分け方、そしてそれぞれの役割。このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。
「小計」「合計」「総計」「累計」の違いを最後にもう一度まとめますので頭の中の整理に活用してください。
- 計算する単位の小さい方から「小計」「合計」「総計」と並ぶ。
- 合計に小計を順次足すとそれが「累計」。