「雑音」「騒音」「ノイズ」の意味は以下の通りです。
- 【雑音】聞きたい音に混入し聞くのを妨げる音
- 【騒音】うるさく感じる大きい、騒がしい音
- 【ノイズ】ラジオ・テレビ・CDなどの音声から出てくる雑音
「雑音」と「ノイズ」の違いは上に示した言葉の意味から簡単に区別がつきます。
それに比べて区別するのがやや難しい「雑音」と「騒音」の違いは、以下の3つのポイントで整理すると区別しやすくなります。
- 【1】主観に左右されるか
- 【2】独立した音声か
- 【3】邪魔になる範囲
このページでは、「雑音」「騒音」「ノイズ」のそれぞれ意味と、違いと使い分け方についてさらに詳しく解説しています。
「雑音」「騒音」「ノイズ」の意味を解説
「雑音」「騒音」「ノイズ」それぞれの言葉の意味は次の通りです。
【雑音】聞きたい音に混入し聞くのを妨げる音
携帯電話で通話している時などに、変な音にさまたげられて通話相手の話し声が聞こえなくなる経験をしたことはありませんか?
また大きな傷がついたCDを再生したところ、音楽以外の異音によって聴きたい音楽が聞こえない。そんな場面に遭遇したことはありませんか?
聞きたい音に混入することで通話を妨げる変な音、音楽の邪魔になる異音。これらが「雑音」で、聞きたい音の邪魔・さまたげになる音のこと意味します。
また、聞きたい音のさまたげになるという意味から転じて、人が何かの判断する時のさまたげになるような周囲からの批判のことを「雑音」と表現する場合もあります。
・(音声に混ざる雑音)雑音がひどくて通話ができない
・(判断を狂わせる雑音)周囲の雑音に動ずることなく自分の意思を貫く
【騒音】うるさく感じる大きい、騒がしい音
携帯電話の技術的な通信障害などで通話する音声に混ざり、通話相手の話し声を聞く邪魔になるのは上に述べた通り「雑音」です。
一方で、携帯電話での通話中に近くの工事現場の作業車のエンジン音があまりにも大きくて、満足に通話ができない場合。
この時のうるさい音が「騒音」です。
通信障害の異音は通話音声に混ざって聞こえてくるのに対して、エンジン音は通話音声とは無関係なところが音の発生源です。
通話音声に混ざっているわけではありません。この点が「雑音」と「騒音」の違いを際立たせるポイントの一つです。
・騒音がひどくて通話ができない
・騒音でひどくて眠れない
・騒音のために勉強に集中できない
【ノイズ】ラジオ・テレビ・CDなどの音声から出てくる雑音
「ノイズ」は雑音の一種で、特にラジオ・テレビ・CD・レコードなどの音声に混じり、本来聞きたいはずの音声を聞きにくくする邪魔な音のことを言います。
また「ノイズ」は映像や画像にも使われ、本来見たいはずの映像・画像を見にくくする邪魔な色や影のことを意味します。
・中古CDのノイズがひどい
・写真のノイズを画像ソフトで消す
「雑音」「騒音」の違いと使い分け方を解説
「雑音」と「騒音」は違いを区別するのがやや困難ですが、以下に述べる3つのポイントで整理することで、違いがはっきりと見えてくるようになります。
【1】その音を聞いた人の主観に左右されるか
何かの音声に混入し、その音声を聴くさまたげになる「雑音」は誰にとっても邪魔なものです。このように主観に左右されずほぼすべての人にとって邪魔な音が「雑音」です。
一方で「騒音」とはうるさく感じる音を意味し、その音を聞いた人の主観によって「騒音」になる場合もあればならない場合もあります。
クラシック音楽が好きな人にとっては心癒される音色も、クラシック音楽が苦手な人にとっては「騒音」。ほとんどの人が「騒音」と感じる音楽でも、そのジャンルの愛好者にとってはそれは「騒音」ではなく音楽です。
また、幼稚園や保育園から聞こえてくる子供たちの元気な声に癒される人もいれば、同じその声を「騒音」と感じ、苦情をつける人もいます。
秋の夜長の虫の音が、日本人の耳には風情ある音、西洋人の耳には「騒音」になるというよく知られた例もあります。
このように主観に左右されないのが「雑音」。主観によって白にも黒にもなるのが「騒音」と言えます。
【2】独立した音声か
「雑音」とは何かに混ざった音です。携帯電話の通話音声。テレビやラジオの音声。そしてCDやレコードなどの音源。
これらの中に混入した異物。それが「雑音」です。
一方で「騒音」は、何かに混ざっているわけではありません。独立した音です。
また「雑音」は何かに混ざった音なので、その音そのものを消してしまえば「雑音」を物理的に遮断することが可能です。
携帯電話の雑音ならば携帯電話の通話を切ることで。テレビやラジオの雑音ならば電源を切ることで。CDやレコードなどの雑音ならば再生を止めることで。
耳障りな音が混ざっているもともとの音声さえ消してしまえば「雑音」も消えます。
しかし独立した音声である「騒音」の発生源は、自分のコントロールが及ばないところにあることが多いため「騒音」を物理的に遮断することは困難がともないます。
【3】邪魔になる範囲
「雑音」が邪魔になるのは何か聞きたいことがある時だけです。
しかし「騒音」は何か聞きたいことがある時だけでなく、眠りたい時、勉強に集中したい時などにも邪魔になります。
邪魔になる範囲が広いのも「騒音」の特徴であり、「雑音」との違いを際立たせているポイントの一つです。
「雑音」「騒音」「ノイズ」の意味、違いと使い分け方、まとめ
「雑音」「騒音」「ノイズ」の意味、そして違いと使い分け方。このページの解説でご理解いただけましたでしょうか。
最後にこのページの解説のポイントを以下にまとめます。頭の中の整理にご活用ください。
雑音 | 騒音 |
聞きたい音に混入し聞くのを妨げる音 | うるさく感じる大きい、騒がしい音 |
主観に左右されない | 主観に左右される |
ある音源に混ざった音 | 独立した音 |
聞く邪魔になる | さまざまなことの邪魔になる |