「老いる」と「老ける」。ともに「年をとる」ことを意味するよく似た一対の類語ですが、以下のような違いがあります。
老いる | 老ける |
年をとって心身の働きが衰えること | 年をとって主に容姿が衰えること |
年齢相応に衰えた状態 | 実年齢よりも年長に見える状態も含む |
主に高齢者限定の言葉 | 高齢者以外にも用いられる |
このページでは「老いる」と「老ける」それぞれの言葉の意味と類語の数々、そして両者の違いについて解説しています。
「老いる」と「老ける」のそれぞれの言葉の意味と違いを解説
【老いる】
【老いる】
①人の年が重なる。年寄る。年をとる。
③年をとってぼける。もうろくする。
出典:小学館『日本國語大辞典』
「老いる」とは単に年をとること。それにくわえて、重ねた年齢相応に心身が衰えることを意味する言葉です。
年齢相応の衰えを意味することから、主に高齢者に限定して用いられます。
また経年による衰えの対象は、容姿、心、身体や健康状態にまで広い範囲に及ぶのも「老いる」という言葉の特徴です。
「老いる」という言葉はまた、老木など植物に対しても使われます。
年老いる、歳取る、年取る、年寄る、老け込む、老ける
【老ける】
【老ける】
人が年を経て老齢となる。老いる。また、容姿などが老人めいてくる。年寄りじみる。
出典:小学館『日本國語大辞典』
「老ける」も年をとるという意味を持ち、この点で「老いる」とまったく同じです。
しかし「老いる」が年齢相応の衰えを指すのに対して、「老ける」は年齢不相応の衰えを指す場合にも使われます。
年齢不相応の衰えとは、中高年世代が実際の年齢よりも年長に見えることを意味し「年よりも老けて見える」などという使われ方をします。
このことから「老いる」が高齢者に限定されて使われる傾向があるのに対して、「老ける」は高齢者よりも若い年代の人にも使われることがあります。
年齢層については幅広く使われる「老ける」ですが、衰えの対象は主に容姿を指し「老いる」より衰えの対象が狭いところにも特徴があります。
年老いる、歳取る、年取る、年寄る、老け込む、老いる
「老いる」と「老ける」の違い、まとめ
「老いる」と「老ける」の違い、このページの解説でご納得いただけましたでしょうか。違いを区別するポイントを最後にもう一度まとめますので、頭の中の整理にご活用ください。
- 【老いる】年をとって心身の働きが衰えること。高齢者限定の言葉。
- 【老ける】年をとること。実年齢よりも年長に見えること。高齢者以外にも用いられる。