「戸」「扉」「ドア」「戸扉」。それぞれが広い意味を持つ言葉ですが、これら三つの言葉を建具の一種として対比した場合の違いは次の通りです。
- 【戸】建物の出入り口の建具の総称
- 【扉】建物の出入り口の建具で、開き戸式の戸
- 【ドア】「扉」と同じ
- 【戸扉】片開きの扉
このページでは「戸」「扉」「ドア」それぞれの言葉の意味と違いについて解説を行なっています。
建具としての「戸」「扉」「ドア」「戸扉」の違いを解説
「戸」「扉」「ドア」「戸扉」。その違いと使い分けの区別のしかたは極めて曖昧で様々な説が存在します。
そこで当ページでは、日本語の国語辞典としては最大収録語彙数を誇る小学館『日本國語大辞典』の記述を主に参考にしながら違いをまとめてみました。
【戸】建物の出入り口の建具の総称
「戸」という言葉は「門」と同様に何かの入り口を指す抽象的な言葉としても用いられますが、建具としての「戸」は建物の出入り口に取り付けられた建具の総称で、引き戸も開き戸も含んだ言葉です。
ただし日常会話の中では主に引き戸を意味する言葉として最も多く使われています。
【扉】建物の出入り口の建具で、開き戸式の戸
様々な種類がある建物の出入り口に取り付けられた建具=戸のうち、特に開き戸式の戸のことを「扉」と呼びます。
しかし、一部の鉄道会社では乗客が車両の乗り降りをする出入り口が引き戸式にもかかわらず「扉」と呼び、ホームや車内で「扉が閉まります」とアナウンスしています。
【ドア】「扉」建物の出入り口の建具で、開き戸式の戸
「ドア」は「扉」と同じ意味で使われています。西洋式の「戸」の多くは開き戸式のため、外来語の「ドア」は開き戸式の戸を意味する言葉として使われています。
ただし、これも「扉」と同様に一部の鉄道会社が車両の乗り降り口を「ドア」と呼び、ホームや車内で「ドアが閉まります」とアナウンスしています。
【戸扉】片開きの扉(読み:こひ)
「戸」と「扉」を合わせた熟語「戸扉」は「こひ」と読みます。
「戸」「扉」「ドア」が様々な意味を持ち、使い分け方も曖昧なのに対して「戸扉」は片開きの扉だけを指す言葉です。
使い分けはシンプルですが、日常生活の中ではあまり使われない言葉です。
建具としての「戸」「扉」「ドア」「戸扉」の違い、まとめ
建具としての「戸」「扉」「ドア」「戸扉」の違いと使い分けの区別の仕方、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。
このページで述べたことをポイントを、再度、以下にまとめます。参考にしていただければ幸いです。
- 【戸】建物の出入り口の建具の総称
- 【扉】建物の出入り口の建具で、開き戸式の戸
- 【ドア】「扉」と同じ
- 【戸扉】片開きの扉