視覚器官の「め」を漢字で書きあらわす場合に最も一般的なのが「目」です。一方「眼」という漢字は「まなこ」とも読み、もともとは瞳を表す言葉でした。
ただし科学の分野での正式名称は「眼球」です。似た言葉で「目玉」がありますが、こちらは俗称。そのため視覚器官に関連する専門用語には「眼」が多く使われます。
上に述べた「目」と「眼」の違いのポイントは以下の通りです。違いのポイントの下には、「目」と「眼」それぞれの言葉について詳しくまとめています。
「目」「眼」の違いと使い分けを区別するポイント
- 【目】「め」を漢字で書くときは「目」が一般的。
- 【眼】「眼球」が正式名称で「目玉」は俗称。そのため「眼科」などと言う。
「目」「眼」の違いと使い分けを解説
【目】「め」を漢字で書くときは「目」が一般的
「め」を漢字で書きあらわす場合に「目」と「眼」のどちらを選んだよいのか迷いが生じた場合は「目」と書けばほぼ間違いはありません。
また「目」はその形や外観(形状)から見るという行為(機能)、さらに「目」や「見る」ことに関連する比喩表現まで幅広く使うことができる汎用性の高さに特徴があります。
「目」の汎用性の高さを表す用例
▼「見る行為」に関係する
・形や外観:ため目、つり目
・見る行為:お目にかかる
・見た印象:見た目、目つき
・能力:目が悪い(視力)、目が高い(洞察力)
・評判:世間の目
▼「見る行為」に関係しない
・形が目と似ている:台風の目、魚の目
・区切りをあらわす:一つ目、二番目、三年目、節目
・状態や性質:落ち目、焦げ目
・体験:大変な目にあう
【眼】「眼球」が正式名称で「目玉」は俗称
「目」という言葉は広範囲にわたって使われている漢字ですが、医学や生物学上での「目」の正式名称は「眼球」です。「目」という漢字は使いません。
そのため医学や生物学での「目」に関する専門用語のほとんどは正式名称の「眼球」に由来する「眼」という漢字が使われる傾向にあります。
ところで「眼」という漢字は、医学や生物学の専門用語以外でも使われるケースがありますが「目」と比べると「見る行為」に特化した使われ方をする傾向があります。
「眼」が使われる医学・生物学の専門用語以外の言葉の例
▼「見る行為」に関係する
・審美眼、観察眼
▼「見る行為」に通じる
・眼力、心眼、慧眼
「目」「眼」の違いと使い分けを区別するポイント、まとめ
「目」「眼」の違いと使い分けを区別するポイント、おわかりいただけましたでしょうか。このページで述べたことを改めて以下にまとめてみます。
- 【目】「め」と漢字で書くとき「目」と書けば間違いない。
- 【眼】「眼球」が正式名称で「目玉」は俗称。そのため「眼科」などと言う。
- 【目と眼】「目」は形状から機能まで幅広く使われるが「眼」は医学の専門用語と「見る行為」に特化される傾向にある。