「追求」「追究」「追及」。これら三つの「ついきゅう」という言葉の違いと使い分けの区別に迷う人は少なくありません。
いずれも何かを「追う」ことを意味していますが、何を追っているのかその対象を整理すれば違いと使い分け方を理解するのは意外に簡単です。
このページでは理解のポイントを簡潔に示した後、詳しい解説をしています。
このページの目次
「追求・追究・追及」それぞれが「追う」対象を整理するとこうなる
- 【追求】理想、利益、快楽
- 【追究】真理、学問上の答
- 【追及】責任、悪事、犯人
「追求・追究・追及」の違いと使い分けを瞬時に理解するポイントを解説
三種類の「ついきゅう:追求・追究・追及」は、すべて何かを「追う」ことを意味する言葉です。そして上に述べたように「追う」対象が何なのかを整理することで違いと使い分け方は自ずとクリアになります。
以下は「追求・追究・追及」それぞれの言葉の意味を確かめながら、三種類の「ついきゅう」の違いと使い分け方への理解を深めてまいります。
【追求】理想、利益、快楽
【追求】
目的のものを手に入れようと、どこまでも追い求めること。
引用:小学館『新選国語辞典』
一般的な使い分け方として「追求」は理想、利益、快楽などを追う場合に用いられます。「理想を追求する」「利益を追求する」「快楽を追求する」と言った具合です。
理想、利益、快楽。いずれも「楽しいこと」ばかりです。「楽しいこと」を追うことが「追求」です。
ただし言葉の意味には「目的のもの」とだけあり、その目的の性質が「楽しいこと」などと限定されていません。
よって三つの「ついきゅう」のうち「追求」だけは汎用性のある言葉として「追究」「追及」の代わりとして使われる場合も皆無ではありません。
【追求の例文】
- 理想のライフスタイルを追求する。
- 会社の利益を追求する。
- 楽しい余暇の過ごし方を追求する。
【追究】真理、学問上の答
【追究】
学問的に明らかにしようと、調べきわめること。
引用:小学館『新選国語辞典』
「追求」の対象が主に「楽しいこと」であるのに対して、研究の「究」の字が使われている「追究」の対象は学問の分野限定と覚えて使い分ければ、ほぼ間違いはありません。
学問すなわち「真面目なこと」を追うのが「追究」です。
【追究の例文】
- 人生の真理を追究する。
- ○○の法則を追究する。
【追及】責任、悪事、犯人
【追及】
くいさがって、問いつめること。
引用:小学館『新選国語辞典』
「楽しいこと」を追う「追求」。「真面目なこと」を追う「追究」。ポジティブなことを追う上記した二つの「ついきゅう」に対して、追う対象が一転してネガティブになるのが三つめの「追及」です。
責任を問い詰める時、悪事を問い詰める時、また犯人を追いかける時などなど。「追及」の対象となるのは「悪いこと」ばかりです。
【追及の例文】
- 経営責任を追及する。
- 容疑者の罪を追及する。
- 窃盗犯を追及する。
「追求・追究・追及」の違いと使い分けを瞬時に理解するポイント、まとめ
「追求・追究・追及」の違いと使い分けを瞬時に理解するポイント、ご理解いただけましたでしょうか。
上に述べたポイントと解説を最後にあらためてまとめなおしてみます。このページの情報があなたのお役に立つことができれば幸いです。
- 【追求】理想、利益、快楽(楽しいこと)
- 【追究】真理、学問上の答(真面目なこと)
- 【追及】責任、悪事、犯人(悪いこと)
- 【追記】上の三つの言葉のうち「追求」だけは「追究」「追及」の代用が可能