「適用」と「適応」は意味が違う言葉でありながらも、いざ使い分ける時にはどちらを使った良いのか迷ってしまう人が少なくありません。
でも安心してください。「適用」と「適応」はある言葉に置き換えると簡単に区別がつくようになります。このページではその「ある言葉」での使い分け方をお伝えしています。
このページの目次
「適用」と「適応」の使い分け方を簡単に理解する「ある言葉」
- 【適用】「・・・をあてはめる」と言い換えられたら「適用」
- 【適応】「・・・にあてはまる」と言い換えられたら「適応」
「適用」と「適応」の違いを使い分け方を簡単に理解する方法
「適用」と「適応」。この似て非なる一対の言葉のそれぞれの意味をたった一言で言い表すと次のようになります。
【適用】あてはめる
【適応】あてはまる
出典:小学館『日本国語大辞典』
よって、
「・・・にあてはまる」と言い換えられたら「適応」
ということになります。それぞれの言い換えの具体事例を以下にご紹介します。
【適用】「・・・をあてはめる」と言い換えられたら「適用」
大半の国語辞典では「適用」という言葉を「法律・規則・原理などをあてはめて用いること」と定義しています。具体的に次のように使います。
規則:社員に副業禁止の「就業規則を適用する」
原理:経済活性化のために「市場原理を適用する」
これら具体的な用例を「適用」を「あてはめる」に言い換えてみましょう。
規則:社員に副業禁止の「就業規則をあてはめる」
原理:経済活性化のために「市場原理をあてはめる」
ある程度、意味は通じるはずです。よって「・・・をあてはめる」と言い換えられたら「適用」と覚えてください。
【適応】「・・・にあてはまる」と言い換えられたら「適応」
「適応」という言葉は多くの国語辞典では「状況や環境に合うように行動や考え方を変えること」と定義しています。具体的に次のように使います。
環境:転職先の職場環境に「適応する」
これら言葉は「あてはまる」と言い換えても意味が通じます。「あてはまる」の代わりに「慣れる」に置き換えるとさら理解しやすくなる方もいるかもしれません。
環境:転職先の職場環境に「あてはまる(慣れる)」
「あてはまる」または「慣れる」と言い換えられたら「適応」と覚えてください。
【適用】と【適応】言い換えると理解しやすくなる理由を具体事例で説明します
ところで、法律や規則などと一緒に使うのが「適用」。環境などと一緒に使うのが「適応」という区別のしかたもありますが、この考え方だと次のようなケースに遭遇した場合に混乱を招きかねません。
上に挙げたケースは法律や規則と一緒に使われていますが、この場合に使うべきは「適用」と「適応」のどちらでしょうか。
「法律や規則」にこだわると迷いが生じてきますが、これも「あてはめる」または「あてはまる(慣れる)」に言い換えれば、簡単に区別がつきます。
適応:転職先の厳しい就業規則に「あてはまる(慣れる)」
言い換えを比べてみたら一目瞭然。言うまでもなくこのケースでは「適用」ではなく「適応」を使うべきだということがお分かりいただけると思います。
「適用」と「適応」の違いを使い分け方を簡単に理解する方法、まとめ
「適用」と「適応」の違いを使い分け方、おわかりいただけましたでしょうか。今後、使い分けする際には、次のまとめを思い出してください。
- 【適用】「・・・をあてはめる」と言い換えられたら「適用」
- 【適応】「・・・にあてはまる(慣れる)」と言い換えられたら「適応」