「召集」と「招集」。
漢字も意味もよく似ているため違いがまぎわらしいこの一対の言葉は、実はポイントさえつかんでしまえば、大半の人々にとって日常生活の中での使い分け方は簡単です。
このページでは、そのポイントをシンプルにまとめています。
現代生活の中で「召集」と「招集」を正しく使い分けるポイント
- 【召集】日本の国会と旧日本軍にしか使わない。
- 【招集】ほぼすべての場面でこちらを使う。
- 【運動会】に使うのはもちろん「招集」。
「召集」と「招集」それぞれの言葉の意味を解説
「召集」と「招集」の使い分け方をいとも簡単にまとめてしまいましたが、上に述べた区別の仕方への理解を確かなものにするべく、それぞれの言葉の意味について解説します。
【召集】日本の国会にしか使わない。
【召集】
上級者が下級者を呼び集めること。
引用:岩波書店『広辞苑』
「召集」の基本的な言葉の意味は『広辞苑』をはじめとしてほとんどの国語辞典が呼ぶ側と呼ばれる側の上下関係がある場合と定義しています。
しかし、NHKでは「召集」という言葉は日本の国会と旧日本軍について使う言葉に限定し、それ以外はすべて「手招き」を意味する「招集」に統一しています。
これは日本の国会が、日本国憲法の第七条[天皇の国事行為]中に「国会を召集すること」と記載があることを根拠にしています。
また旧日本軍については、先の大戦以前に在郷軍人や国民兵を集める際に「召集規則」「召集令状」という言葉が用いられていたことに由来します。
参考:NHK放送文化研究所「予備兵は「招集」する?「召集」する?」
よって、大半の人々が日常生活の中で使い分けが必要となった場合、日本の国会と旧日本軍についてのみ「召集」を使う。それ以外は【手招きの「招集」】を使う。
このように覚えておけば間違いないでしょう。
【招集】ほぼすべての場面でこちらを使う。
【招集】
まねきあつめること。
引用:岩波書店『広辞苑』
上に述べたように日本の国会と旧日本軍について以外はすべて「招集」です。学校の運動会も株主総会も近所の自治会の会議もすべて「招集」です。「召集」は使いません。
日本の国会と旧日本軍について以外はすべて【手招きの「招集」】と覚えてください。
ところで日本の国会は「召集」が使われますが、同じ議会でも県議会、市議会など地方自治体の議会も【手招きの「招集」】です。海外の国会も【手招きの「招集」】です。
また軍隊についても、海外の軍隊は戦前・戦中・戦後の別なく【手招きの「招集」】。現代の自衛隊についても【手招きの「招集」】が使われます。
現代生活の中で「召集」と「招集」を正しく使い分けるポイント
言葉の厳密な使い分けには種々の議論があることは承知していますが、このページでは普段づかいの言葉の使い分け方に絞って情報をまとめました。
「召集」と「招集」を日常生活の中で正しく使い分けるポイントをお伝えするこのページの情報、お役に立てれば幸いです。
- 日本の国会と旧日本軍だけが【召集】
- 上の二つ以外は【手招きの「招集」】