「出航」と「出港」の違いと使い分け方を正しく理解するポイント

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「出航」と「出港」、読み方はまったく同じ。意味も非常によく似ていますが、大きな違いが一点だけあります。

このページでは、二つの言葉の間にある違いをシンプルにお伝えしつつ、使い分け方を正しく理解するポイントと、ある分野での間違いだらけの使い分けについてまとめています。

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「出航」と「出港」の違いと使い分け方を正しく理解するポイント

  • 【出航】船、飛行機、両方の出発に使える。
  • 【出港】船の出発限定。
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「出航」と「出港」の違いと使い分け方を解説

【出航】船が航海に出ること。飛行機が出発すること。

【出航】
船が航海に出ること。航空機が出発すること。
引用:小学館『日本国語大辞典』

「出航」の「航」の字は「舟偏」ではありますが、「出航」は船だけでなく飛行機にも使えるところが「出港」と大きく異なる点です。

ただ、飛行機にも使えるとは言っても空港などで主に使われているのは「出発」であり、空港で「出航」を目にする機会はそれほど多くはありません。

しかし「出航」の類意義が空港でもよく使われていることにお気づきでしょうか。

「出航」の類意義とは「欠航」です。悪天候などで飛行機が離陸できないとき、空港はもちろんのことニュースでも度々使われています。

「舟偏」の「航」の字を含む「欠航」が飛行機にも頻繁に使われていることから、「出航」も飛行機に使って差し支えないことがおわかりいただけるかと思います。

【出港】船が港を出ること。「出港」は船限定の言葉。

【出港】
船が港を出ること。
引用:小学館『日本国語大辞典』

「出航」が船にも飛行機にも使える言葉であるのに対して「出港」は船限定の言葉です。

「空港」に「港」が含まれているので飛行機にも「出港」も使って良さそうなものですが、「出港」は船限定。そのように覚えてしまってください。

ところで、飛行機には「出航」しか使えないのに対して、船には「出航」と「出港」の両方が使えると述べましたが、同じ船でも「出港」に限定されるケースが存在します。

「出港」しか使えない船のケース。下記する記述をご覧ください。

間違っている人がとても多い海上自衛隊での使い分け

海上自衛隊の艦船が港を発つ時に演奏されるラッパの楽曲を撮影した動画がYoutubeに数多く投稿されています。

しかし、それらの動画タイトルをよく見ると「出航ラッパ、出航用意」と「出港ラッパ、出港用意」の二通りの表記が入り乱れています。

「出航」と「出港」。一体、どちらが正しいのでしょうか?

Youtubeのヒット数だと「出航ラッパ、出航用意」が圧倒的に多いのですが、正しいのは少数派の「出港ラッパ、出港用意」です。「港を出る」が正解です。

艦船が港に戻った時に演奏されるラッパを「入港ラッパ」と呼び、「出航」の対義語の「帰航ラッパ」と呼ばないことからも明らかです。

また、これは海上自衛隊員の夫を持つ女性、いわゆる自衛官妻から聞いた話です。

自衛隊では艦船が出発することを一律「出港」と表記しているのだそうです。「出航」とは表記しないとのことです。

この奥様の言葉からもYoutubeでたくさん拡散されている「出航ラッパ、出航用意」が間違いであることがお分かりいただけるかと思います。

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「出航」と「出港」の違いと使い分け方、まとめ

以上、「出航」と「出港」の使い分け方はシンプルですが、そこに海上自衛隊が入ると少しだけややこしくなってきます。

以下に、このページのおさらいとして海上自衛隊も含めた「出航」と「出港」の使い分け方を一覧表示でまとめますのでご活用ください。

 出航出港
飛行機OKNG
OKOK
自衛隊の艦船NGOK
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