「運行」と「運航」の違いと使い分け方を正しく理解する3つのポイント
- 【運行】交通機関や天体など決まった道筋に沿って進むこと
- 【運行】鉄道やバスなど主に陸上の交通機関
- 【運航】船舶や飛行機など陸上以外の交通機関限定
「運行」と「運航」の違いと正しい使い分け方を解説
【運行】交通機関や天体など決まった道筋に沿って進むこと
【運行】
きまった道筋に沿って、巡り進むこと。現在では多く、天体や交通機関などについていう。
引用:小学館『日本国語大辞典』
「運行」という言葉の意味の中で最も重要なポイントなるのが「きまった道筋に沿って」の部分です。
このポイントをしっかりとおさえないまま、「陸上の交通機関」に使う言葉と安易に認識してしまうと混乱が生じるもととなりかねません。
何故なら「運行」という言葉は「きまった道筋に沿って」という意味を持つことから天体にも使われているからです。交通機関に限定された言葉ではありません。
【運行】鉄道やバスなど主に陸上の交通機関
「運行」という言葉が一番よく使われている場面は、鉄道やバスなどの「きまった道筋に沿って」動く陸上の交通機関の現場です。
しかしこの「運行」という言葉は、交通機関に限定すると「きまった道筋」から外れた場合でも使われることがあります。
代表的な例がタクシーです。
タクシーは「きまった道筋に沿って」走っているわけではありません。乗客のリクエストや交通渋滞の状況に応じて走る道筋は数限りなく存在します。
しかし、タクシーの安全を確保する業務を行う有資格者は「運行管理者」または「タクシー運行管理者」と呼ばれています。
このことから「きまった道筋に沿って」いるわけではないタクシーにも「運行」が使えることがお分かりいただけるかと思います。
船舶や飛行機には陸上以外の交通機関に限定して使用される「運航」を使いますが、「運行」を使うことも可能です。「運行」が陸上の交通機関に限定されていないからです。実際、公職選挙法の中に次のような用例が存在します。【自動車又は船舶の上においてその運行中又は停止中においてする場合は(以下略)】
【運航】船舶や飛行機など陸上以外の交通機関限定
【運航】
船、航空機が航路を進むこと。
引用:小学館『日本国語大辞典』
「運行」という言葉が、水陸空の交通機関から天体にいたるまで幅広く使われる言葉であるのに対して「運航」は、船舶や飛行機など陸上以外の交通機関に限定されています。
ただし、走行中に地面から浮き上がっているリニアモーターカーに使われるのは「運航」ではなく「運行」。飛行機よりも高いところに飛んでゆくスペースシャトルも「運航」ではなく「運行」が使われています。
「運行」と「運航」の違いと正しい使い分け方、まとめ
「運行」と「運航」の違いと使い分け、お分かりいただけましたでしょうか。最後に、このページのまとめとして、今一度「運行」と「運航」の違いと使い分け方のポイントを以下にまとめます。
- 【運行】鉄道やバスなど陸上の交通機関(天体にも使われる)
- 【運航】船舶や飛行機など陸上以外の交通機関限定