「万一」と「万が一」の意味の違いと使い分けを理解する3つのポイント

「万一」と「万が一」。ともにめったにないことを意味する言葉ですが「が」が入るだけで微妙に意味が異なってくるため、使い分け方に迷う人も少なくありません。

この記事では、用例を参考にしながら「万一」と「万が一」の違いと使い分けを区別するポイントをお伝えしています。

「万一」と「万が一」の意味の違いと使い分けを理解する3つのポイント

  1. 【万一】めったにないこと
  2. 【万が一】めったにないことを強調する意味がある
  3. 【万一】と【万が一】は確率の高低とリスクの有無で使い分ける

「万一」と「万が一」の意味の違いと使い分け方を徹底解説

「万一」と「万が一」の意味の違いと使い分けを理解する3つのポイントを上に述べましたが、3つのポイントそれぞれについて解説いたします。

【万一】めったにないこと

【万一(まんいち)】
万分の一。万の中に一つ。ほとんどないがきわめてまれにあること。
引用:岩波書店『広辞苑』

「万一」という言葉は文字どおり万分の一。パーセンテージであらわしたら0.01%。『広辞苑』で定義されているようにほとんどないことです。

ほとんどないとは言え皆無というわけではありません。ごくまれにあります。それが「万一」という言葉の意味です。

そしてこの「万一」という言葉の真ん中に「が」が一つ入ることで意味が微妙に異なってきます

【万が一】めったにないことを強調する意味がある

【万が一(まんがいち)】
「まんいち」を強めていう語。
引用:岩波書店『広辞苑』

『広辞苑』の定義に従うと「万一」と「万が一」は似た意味のことですが、まったく同じ意味ではありません。公式で表現すると以下のようになります。

正:「万一」<「万が一」
誤:「万一」=「万が一」

「万一」も「万が一」も、ともに「まれなこと」を意味する言葉ですが、「万が一」はどれほど「まれなこと」であるかを強調したい時に使う言葉です。

「まれなこと」を強く言うとは、別の言い方をすると確率が低いということです。

「万一」と「万が一」は確率の高低とリスクの有無で使い分ける

確率の高低とリスクの有無などと抽象的な言い方をしてもピンとは来ないかもしれません。そこで具体例を示しながらご説明します。

確率の高低

用例1
万一、雨が降っても傘を持っているから大丈夫

真夏の快晴の朝。天気予報でも降水確率はゼロ。そんな場面を想像してください。

今は天気が良いけれど夏には夕立がつきものです。しかし、降水確率はゼロなので雨の心配はまずなさそうです。

そんなよくありがちな場面で使われるのが「万一」です

用例2
万が一の場合に備えて地震保険に加入する

地震で自分の家が倒壊する確率は、夕方になって雨に降られる確率よりもずっと低いはずです。そもそも雨よりも地震の発生頻度の方が少ないわけですから。

「万一」という言葉で語られる事例よりも確率が低い場合が「万が一」です。

リスクの有無:油断を戒め、リスクの高さの警鐘を鳴らす時

また、「まれなこと」であると強調したいケースには、確率が低いケースに加えてもう一つのケースがあります。それは大きなリスクが発生するケースです。

めったにないが大きなリスクがある。めったにないことだからと言って油断してならない!と、リスクが甚大であることを伝えたい時などです。

夕方の雨の中、仮に傘を持っていなくてもびしょ濡れになるだけですが、地震保険に入らない状態で、地震で家が倒壊した場合の被害は甚大ですからね。

「万一」と「万が一」の意味の違いと使い分け、まとめ

「万一」と「万が一」の意味の違いは強弱の差しかありませんので、おわかりいただけたかと思います。一方で使い分け方はやや難しいですが、「油断するな!」「念を押す」などの目的がある時は【万が一】。何らかの目的がない時は【万一】。

そのように使い分けてみてはいかがでしょうか。

  • めったにないことだからと言って油断するなと伝えたい時 → 【万が一】
  • めったにないまれなことだと念を押す時 → 【万が一】
  • それ以外 → 【万一】
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