結婚式やお宮参りなどの人生の大事なイベントの予定日。カレンダーを見たら「先負」となっていた!「負」というちょっと気になる漢字が入っているけれど、そもそもこの日は縁起がいいの?そんな迷いを持っている方は少なくありません。
このページでは、ポピュラーな「大安」や「友引」と比べて意味や読み方があまり知られていない「先負」の日に、人生の一大イベントを行っていいのか悪いのか?その答えをお伝えしています。このページがあなたの迷いを解消することができれば幸いです。
「先負」の基礎知識
「先負」と書いて「せんぶ」「せんぷ」「せんまけ」「さきまけ」などと読みます。読み方は地方によって違いがあるようです。
「先負」の日は、予定に入っていない急な用事、裁判や訴訟など争いごとやもめごとは避けて一日を静かに過ごすのが良い日です。また「先んずればすなわち負ける」という意味から、「先負」の日は午前は凶、午後は吉とされています。
ちなみに「先負」は、昔は「小吉」「周吉」と呼ばれ吉日と考えられていました。なので人生の大事なイベントは午後から行うと「吉」となります。
大安・仏滅・先勝・先負・友引・赤口。カレンダーでよく見かけるこれらの言葉は「六曜(ろくよう、りくよう)」と呼ばれ、日の吉凶を示す星とされています。古代中国の時刻占いに由来する六曜は、日本には室町時代に伝わりました。
「先負」の日にやって良いこと悪いこと
人生の一大イベントのうち、代表的な11種類について「先負」の日との関係をまとめました。下の一覧表より、知りたいイベント名をクリックしてください。
結婚式 | 入籍 | お宮参り | 七五三 |
納車 | 引っ越し | 地鎮祭 | 契約 |
葬式 | 通夜 | 法事 |
結婚式
「先負」の日は午後は吉日なので、「先負」の日に結婚式を挙げるならお昼過ぎ、すなわち12時以降なら結婚式を挙げるのに良い日取りです。
ご親族・ご家族の中には「結婚式は大安で!」と強いこだわりを持った方もおられるかもしれません。
でも安心してください。「先負」の日の午後は吉日であるうえに、昔は「先負」は「小吉」や「周吉」と呼ばれ、そもそも吉日だったのです。
そのように説明すればご理解いただけるのではないでしょうか。
ところで「大安」にこだわるご親族・ご家族に「それは迷信だ!」「科学的根拠がない!」と正論を振りかざす人がたまにいます。
大事な人が関わる人生の一大イベントで、まず大切にすべきは正論よりも集まってくださる一人一人の気持ちです。
ご親族・ご家族が気持ちよく式を迎えられるよう大人の対応を心がけたいものです。
ちなみに「先負」の午後が吉日であることはあまり知られていません。
そのため「先負」の日は式場を割安に抑えらえるケースがあります。「先負」の午後は経済的にも吉といえるのです。
入籍
「先負」の日は、午後からはバッチリ吉日です。だから、縁起の良い日に入籍をしたいと望んでいるお二人には、「先負」のお昼過ぎからは最適な日です。
でも、ランチをしてから役所に届け出に行こうと考えてのんびりし過ぎると大変です。
役所がその日の業務を終えてしまうと、翌日は仏滅です。(でも、仏滅の翌日には大安の日がやってきますよ)
お宮参り
午後から吉日となる「先負」の日は、お宮参りにも最適です。しかし、次の二つの点で気をつけたいものです。
一つ目は午後からのお宮参りだと赤ちゃんが疲れてしまうかもしれないということです。また季節によっては肌寒くなります。
午後にこだわるあまり、赤ちゃんに負担をかけてしまっては本末転倒です。
二つ目は、神社のお参りは早い時間帯ほど良いということです。
神社とは神様の「氣」をいただく場所です。最近の神社のパワースポットブームの「パワー」とは昔から伝わる「氣」のことを意味しているのです。
さて、この「氣」は早い時間帯ほどたっぷりいただけると言われています。おすすめなのは午後2まで。
なので「先負」の日のお宮参りの縁起をかつぎながら赤ちゃんに負担をかけないようにするには、正午から午後2までの二時間が最適ではないでしょうか。
七五三
「先負」の午後は吉日なので、縁起をかつぐご家族・ご親族の方がいらしても安心して七五三のお参りの日取りとして選ぶことができます。
「神社で、七五三のご祈祷の予約を午前中に入れてしまった!」
そんな場合でもそれほど気にする必要はありません。何故なら「先負」などの六曜と神社とはまったく無関係だからです。
六曜は中国生まれ。一方で神社は日本生まれ。二つの間につながりはないのです。
そもそも六曜よりもずっと頼りになる神様がついていてくださるのですから、安心して七五三参りをしてくださいね。
納車
これから愛車として乗り続ける車は、縁起の良い日に納車してもらいたいもの。実際、お客さんに気を使って大安の日を納車日に設定するディーラーが少なくありません。
しかし、大安の日がどうしても都合がつかない。都合のつく日は「先負」の日しかない。そんな場合もあるかと思います。
安心してください。
「先負」の日の午後はなんと吉日なんです。納車の時間帯を午後に設定してもらえば縁起の良い日取りの納車が可能となります。
「先負」の日の午後も都合が悪い!
そんな方にも朗報です。その昔、先負や大安などの六曜が日本に伝わった当初、「先負」は「小吉」や「周吉」という名の吉日だんたんです。
ルーツをさかのぼれば「先負」は吉日ということです。
引っ越し
「先負」の日の午後は吉日なので引っ越しのような、人生の新しい一歩を踏み出す日取りとしてはとても良い日です。
しかし大きな問題が一つだけあります。
一人暮らしの引っ越しでもない限り、午後からの引っ越しだと作業がすべて終了するのが夜遅い時間になりかねません。
ところで「先負」の日は、午前午後を問わず慌ただしい過ごし方は控えた方が良い日です。急いだりあわてたりするのは禁物。そんな日です。
あわてるのがダメな日に、午後からの引っ越し開始にこだわるあまり引っ越し作業が遅い時間まで及び、引っ越し業者の方をあわてさせてしまっては本末転倒です。
たとえ引っ越しを午前に開始したとしても、新居での作業は午後になるかと思います。
新生活を送る場所での作業は午後。そう割り切って「先負」の日を受け入れてみてはいかがでしょうか。
地鎮祭
地鎮祭は午前中に執り行うのが良いとされていますが、しかし「先負」の日は午前中は凶で午後が吉。
このギャップに迷う方も少なくありません。
地鎮祭はそうめったやたらにあるものではない一大イベントです。関係者の中に縁起へのこだわりの強い方がおられるようなら大安、先勝、友引の日に再調整されてみてはいかがでしょうか。
再調整がどうしても困難な場合、地鎮祭は夕方に行うのが吉とする考え方もありますので、その時間帯に執り行うことを検討してみてはいかがでしょうか。
契約
不動産の契約締結日の日取りは、不動産屋さんも不動産を購入された方も、双方ともに縁起の良し悪しに強いこだわりを持っているケースが少なくありません。
可能な限り日程調整を行い大安吉日などを契約締結日としたいところですが、どうしても都合がつかない場合があるかと思います。
契約締結日として都合がつくのが「先負」の日しかない場合、午後から締結を行えば問題はありません。
何故なら「先負」の日は午後からは吉日になるからです。
葬式、通夜、法事
葬式、通夜、法事。結論から先に申し上げると「先負」の日に行ってもまったく問題ありません。
「友引」の日に葬式と通夜はを避けることはよく知られていますが、「先負」については気にしなくても大丈夫です。
ただし、状況によっては気の立っている人が葬式、通夜、法事などには多いことも確か。
「先負」の日は争いごとやもめごとは避けるべき日なので、そのようなトラブルが起こらないよう言葉や態度をつつしみたいものです。
もっとも、そんなトラブルを避けたいのは「先負」の日に限った話ではありませんね。
「先負」まとめ
人生の一大イベントには、家族や親族など大事な人々がたくさん関わってきます。
縁起にこだわり過ぎるあまりに親族間の人間関係を損ねては本末転倒ですが、さりとて縁起は非科学的だと正論を振りかざし、大切なイベントの思い出を色あせたものにしてしまうのも大人げないと言わざるを得ません。
このページを活用して「先負」など縁起にまつわる言葉の意味を正しく理解し、家族や親族としっかり話し合いをしながら、素敵な思い出を作っていただければ幸いです。