「薦める」と「勧める」の違いと使い分けを区別するポイント

「薦める」と「勧める」の違いを区別する3ステップ

「薦める」と「勧める」の違いは、それぞれの言葉の意味を理解し二つの言葉の意味の異なる点に注目するとより区別がつきやすくなります。

  1. 【薦める】すぐれたこととしてすすめること
  2. 【勧める】よいことだとすすめて励ますこと
  3. 【薦める】はすすめるだけなのに対して【勧める】はすすめて更に行動を促す

「薦める」と「勧める」の違いを区別する3ステップの解説

上に挙げた「薦める」と「勧める」の違いを区別する3ステップ。それぞれのステップを一つひとつ解説いたします。

【薦める】すぐれたこととしてすすめること

【薦める】すぐれたこととしてすすめること

薦める」という言葉は「推薦」という類義語を持つことからもわかるように、あるものを優れたもの、良いことだとしてすすめる=推薦することです。

ただし「薦める」という言葉には相手に行動を求める意思や強制力はありません。言葉の意味通り、ただ単にすすめるだけです。

それを良いものかどうかを判断し行動するかどうかを決めるその決定権は100%相手方にあります。

【勧める】よいことだとすすめて励ますこと

【勧める】よいことだとすすめて励ますこと

一方で「勧める」という言葉の類義語には「勧誘」という、相手に行動を求めるやや強い意味を持った言葉が存在します。

そこに強制性はないものの相手に行動を求める、すなわちすぐれたものをすすめるだけでなく行動を起こすことをすすめる点で「勧誘」という類義を持つ「勧める」は、相手に対してより強い表現と言うことができます。

【薦める】はすすめるだけ
【勧める】はすすめて更に行動を促す

  1. 【薦める】すぐれたこととしてすすめること
  2. 【勧める】よいことだとすすめて励ますこと

「薦める」と「勧める」。それぞれの言葉の意味の異なる点をよく観察すると、その違いはより明瞭になります。

上に挙げた「薦める」と「勧める」それぞれの言葉の意味。一見するとそっくりな意味を持った言葉ですが、よく観察してみてください。大きな違いが存在します。

大きな違いとは「励ますこと」という文言です。

この「励ます」を類義語の慣用表現「背中を押す」に置き換えると、意味の違いはより明瞭に見えてきます。

「背中を押す」とは「行動を促す」ということです。

「薦める」がただ単に「これはいいですよ」とすすめているだけなのに対して、「勧める」は「これはいいですよ」とすすめた上で「行動もしたほうがいいですよ」と行動までをもすすめているのが特徴です。

  • 【薦める】「これはいいですよ」
  • 【勧める】「これはいいですよ」+「行動もしたほうがいいですよ

【[映画を薦める]と[映画を勧める】同一フレーズで見極める意味の違い

「薦める」と「勧める」の違いはすぐれたものをすすめるだけではなく、行動することまですすめる点だと解説しました。

この解説を具体的な例によって説明します。具体的な例は以下の二つのフレーズです。

  • 【映画を薦める】とても良い映画なので暇なら観てごらん!
  • 【映画を勧める】観る映画の選択に迷っているならこちら!

【映画を薦める】は、映画作品そのものをすすめるだけです。
【映画を勧める】は、映画作品そのものと、映画を観ることもすすめています。

すぐれたもの、良いものとしてすすめるだけで終わるのか。それに加えて行動することまですすめるか。上に述べた映画のフレーズが両者を区別する具体例です。

コラム:第三の「すすめる」、【奨める】
「すすめる」には「薦める」と「勧める」に加えて第三の「すすめる」が存在します。それは「奨める」です。結論から言います。日常生活の中で「奨める」は忘れてしまっても特段の問題はありません。そもそも「奨める」は常用漢字ではないので正式な文書に使うことはできません。三つの言葉の違いを無理に区別するのは混乱を招くだけです。「奨める」は忘れてしまい、「薦める」と「勧める」の使い分けだけに意識を集中させましょう。

「薦める」と「勧める」の違い使い分けを区別するポイント

「薦める」と「勧める」の違いは少しはクリアになりましたでしょうか。二つの言葉の違いと使い分けを区別するポイントを絞りに絞って、最後にもう一度まとめます。

この記事がお役に立つことができれば幸甚に存じます。

  • 【薦める】良いものだけをすすめる
  • 【勧める】良いものをすすめて、行動もすすめる
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